農業の戸別所得補償制度(読み)のうぎょうのこべつしょとくほしょうせいど

知恵蔵の解説

農業の戸別所得補償制度

日本の農業・農村再生を目指して民主党が打ち出した政策。農畜産物の標準的な生産費と販売価格との差額を交付金として農家ごとに支払い、所得を補償する制度。民主党は、大勝した2007年参院選と09年衆院選のマニフェストに同制度の創設を盛り込んでいる。07年10月には参議院に「農業者戸別所得補償法案」を提出したものの翌年5月に衆議院で否決されており、09年の鳩山内閣の成立により実現に向けて動き出した。マニフェストの工程表では10年度にモデル事業や制度設計を行って翌11年度から実施するとしており、10年度予算の概算要求では水田作を対象として総額5千618億円のモデル対策を示した。モデル対策は、米の「生産数量目標」に即した生産を行う販売農家を対象とする「米戸別所得補償モデル事業」と、水田での麦・大豆・米粉用米・飼料用米などを生産する販売農家を対象に主食用米並みの所得を確保する水準の金額を交付する「水田利活用自給力向上事業」からなる。米の生産調整への一律参加を求めず選択制にし、後者の事業では米の生産調整に不参加の農家も対象とした点が、従来と大きく異なる。農林水産大臣を本部長とする推進本部で今後、具体化に向けた検討を行う。

(原田英美  ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

農業の戸別所得補償制度

コメや麦など、主要農産物の生産目標に従った販売農家の「生産費」が「標準的な販売価格」より高くついた場合、その差額分に生産面積をかけた金額を農家に直接補償する。食料自給率を現状の40%から60%に上げる効果を見込む。民主党は07年10月に法案を提出。参院を通過したが、08年5月に衆院で否決、廃案となった。

(2009-07-19 朝日新聞 朝刊 3総合)

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