改訂新版 世界大百科事典 「農業工学」の意味・わかりやすい解説
農業工学 (のうぎょうこうがく)
agricultural engineering
農業の生産性を高め,農家の生活を豊かにすることを目的としている農業にかかわる工学全般をいう。通常,農業土木を主体とし,農業用の動力源・作業機・伝動装置(農業機械),農業用の建築,農業用電力,農業施設などのほか,農業気象,農村計画,生物環境制御などの知識を総合した応用的学問である。国際的には国際農業工学委員会International Commission of Agricultural Engineeringが1980年に設立され,非政府間国際団体として,農業土木,農業施設,農業機械,農業電化,農作業管理に関する科学技術の向上をめざしている。日本では農業工学として上記分野をくくることはあるが,農業工学会としてまとまった一つの学会をつくっているのではなく,農業土木学会,農業機械学会,農業施設学会など,それぞれの学会で代表されるような分野の集合という概念が強いように思われる。
→農業土木
執筆者:多田 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報