追っ立てる(読み)ボッタテル

デジタル大辞泉 「追っ立てる」の意味・読み・例文・類語

ぼっ‐た・てる【追っ立てる】

[動タ下一][文]ぼった・つ[タ下二]
追いたてる。
百千万の獣を―・て―・て」〈浄・出世景清
勢いよく立てる。おったてる。
「尻を―・てて、此のさとに通ふこと繁きが故なり」〈洒・通言総籬

おっ‐た・てる【追っ立てる】

[動タ下一][文]おった・つ[タ下二]おいたてる」の音変化。「―・てられるように下宿を移す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「追っ立てる」の意味・読み・例文・類語

おっ‐た・てる【追立】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]おった・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( 「おいたてる」の変化した語 )
  2. せき立てて行かせる。また、隠れている動物などをおどして姿を現わすようにさせる。
    1. [初出の実例]「鷹どもあまたすゑさせ、鶉(うづら)雲雀(ひばり)をおたておたて、終日(ひねもすに)かり暮し」(出典平家物語(13C前)一)
  3. 追ってその場から去らせる。追いはらう。
    1. [初出の実例]「光は飛魄(ひばく)の鬼となって、笞(しもと)を振り上げ追っ立つれば」(出典:謡曲求塚(1384頃))

ぼっ‐た・てる【追立】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ぼった・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( 「おったてる」の変化した語 )
  2. 追いたてる。追いまくる。
    1. [初出の実例]「百千万のけだ物をぼったて、ぼったて」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)一)
  3. 勢いよく立てる。おったてる。
    1. [初出の実例]「振りやれお振りやれ大鳥毛の振袖・行列ぼったて東入り」(出典:歌謡・松の葉(1703)三・やりをどり)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android