退凡下乗(読み)たいぼんげじょう

精選版 日本国語大辞典 「退凡下乗」の意味・読み・例文・類語

たいぼん‐げじょう【退凡下乗】

〘名〙 仏語。釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法したとき、摩訶陀(まかだ)国王頻婆沙羅(びんばしゃら)がこれを聞くために道を開いて、中間に建てたという二つ卒都婆。すなわち、一つ下乗と記し、王はこの所から歩き、一つは退凡と記し、凡人をこれより内には入れさせなかったというもの。
※高野本平家(13C前)二「退梵下乗(タイボンケゼウ)の卒都婆も苔のみむして」

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デジタル大辞泉 「退凡下乗」の意味・読み・例文・類語

たいぼん‐げじょう【退凡下乗】

仏語。摩訶陀まかだ国王の頻婆娑羅びんばしゃらによって釈迦説法の地、霊鷲山りょうじゅせんに建てられた2本の卒塔婆そとばに示された語。1本には下乗と記し、王は乗り物からおりて歩き、もう1本には退凡と記し、凡人の立ち入りを禁じたという。この四字を制札に書いて寺院門前に立てる。

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