デジタル大辞泉 「逆浸透膜」の意味・読み・例文・類語 ぎゃく‐しんとうまく【逆浸透膜】 海水の淡水化や果汁の濃縮などに利用される半透膜。高濃度の溶液と低濃度の溶液を半透膜で隔て、高濃度側に浸透圧を上回る圧力をかけることで、低濃度側に水分子を移動させる。RO膜。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「逆浸透膜」の意味・わかりやすい解説 逆浸透膜ぎゃくしんとうまくreverse osmosis membrane セロファンのような水は透 (とお) すが塩 (えん) を透さない半透膜で容器を仕切り,一方に海水を他方に真水を入れると,真水は海水側に透過して海水の水位が上昇する。海水側で膜にかかる圧力は真水側より高く,浸透圧と呼ばれる。海水側に圧力をかけると海水中の水が真水側に移動するが,浸透圧以上の圧力を加えると真水の量が増大する。このようにして海水中から真水を取り出す方法を逆浸透法 (正しくは超ろ過法 hyperfiltration) という。蒸発法に比べて液体のままで真水が得られるのでエネルギー消費量が非常に少ない。サウジアラビアのような乾燥した地域や船舶で使用されている。このほか電子工業,製薬工業に必要な超純水の製造にも逆浸透膜が使われている。日本製の半導体が優れている原因の一つに,優れた逆浸透膜を開発した結果だという説もある。操作には 6MPa (メガパスカル) 程度の圧力を加えているが,最近 1MPa程度の圧力で使用できる低圧逆浸透膜も開発されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の逆浸透膜の言及 【浸透】より …逆浸透によって海水などの塩溶液から淡水をつくることができる。特別の方法でつくられた酢酸セルロース膜やポリアミド膜は,水を比較的よく通すが塩類をほとんど通さず,逆浸透膜と呼ばれ,海水の脱塩による淡水の製造に広く用いられている。逆浸透法【妹尾 学】。… ※「逆浸透膜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by