淡水化(読み)たんすいか(その他表記)desalination

翻訳|desalination

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「淡水化」の意味・わかりやすい解説

淡水化
たんすいか
desalination

海水内海汽水(半塩水)から塩分を除去したり(→海水淡水化),鉱物濃度が高い地下水や,汚れた都市下水などを処理したりして(→下水処理),淡水にすること。塩類を除く場合は,脱塩ともいう。淡水化処理によって,そのままでは利用できない水を飲料水や農業用水工業用水などさまざまな用途に利用できるようにする。世界の多くの地域,とりわけ人口密度の高い乾燥地帯では,脱塩水が都市水道の主要な供給源となっている。既存の淡水化技術は,化石燃料を使う大量のエネルギーを必要とし,処理には高い費用がかかる。加えて,淡水化プラントから排出される温室効果ガスや塩水などの排水は,環境に重大な悪影響を与えるといった問題を引き起こす。そのため,通常この処理が行なわれるのは淡水源の利用が経済的・物理的に不可能な場合にかぎられる。2019年現在,世界各地で約 1万8000ヵ所の淡水化プラントが稼働しており,1日に合計 9500万m3以上の飲料水が生産されている。また世界中で 120ヵ国以上が淡水化を行なっており,脱塩水のほぼ半分が中東および北アフリカで生産されている。大半の淡水化プラントでは半透膜(→逆浸透膜)を利用する逆浸透法を採用しており,2番目に多いのは,加熱した処理水を減圧室に通したときに発生する水蒸気を凝縮させる多段フラッシュ法である。淡水化プラントは,除去した塩類の処理まで考慮すると,膨大な化学プラント群になる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「淡水化」の意味・わかりやすい解説

淡水化 (たんすいか)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の淡水化の言及

【海水淡水化】より

…単に淡水化ともいう。海水中には1l当り約35gのナトリウムや塩素などの無機物が含まれていて,このままでは飲料水として使用できない。…

※「淡水化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android