逆谷村(読み)さかしだにむら

日本歴史地名大系 「逆谷村」の解説

逆谷村
さかしだにむら

[現在地名]三島町逆谷

現町域北端の山間地に位置する。東・北ともに標高一五〇―一七〇メートル前後の丘陵、西は標高二〇二・九メートルの笠抜かさぬき山をはじめ二〇〇メートル前後の丘陵で、いずれも南から北に延びる。北の丘陵から南流する逆谷川の両岸谷間に開けた村。南は上条じようじよう村。気比神社社記(八田国雄氏蔵)には、のちの吉河よしかわ庄内に一二の屯倉が存在したと伝え、そのうちの逆谷が当地といわれる。また寛益かんにやく寺の金剛力士像(吽方)の墨書銘に、明徳元年(一三九〇)の紀銘で「逆谷村在家中」とみえる。寛益寺およびその末坊一八坊を中核とする門前集落で、墨書銘には当時の地頭梶原周防守や小木おぎ(現出雲崎町)の於木氏ほか、山沢やまざわ(現与板町)の新保氏、小島谷おじまや(現和島村)の大蔵氏、中条なかじよう(気比ノ宮)の宮内殿らの在地土豪もみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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