逆電子移動(読み)ギャクデンシイドウ

化学辞典 第2版 「逆電子移動」の解説

逆電子移動
ギャクデンシイドウ
back electron transfer

分子やイオンAとBが出合い錯体A・Bをつくり,電子片方から他方に移りイオン対 A・B が生成する.このとき反応が先に進むのではなく,電子がもとに戻ることで,基底状態の原系A + Bに戻る過程をいう.光電子移動反応では,励起状態で電子の移動が起こるが,イオン対中で電子をやりとりする可逆電子移動の逆向きの電子移動(励起状態に戻る)と逆電子移動は区別されており,基底状態に戻る過程についてのみ逆電子移動が使われる.光合成では,光のエネルギーを使い,反応中心で電荷分離が起こり,生成した電子と正孔を使うことによって化学変化を起こすが,この場合,電荷分離が起こった後,逆電子移動が起こらない工夫がされている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む