連尺（読み）レンジャク

デジタル大辞泉

れん‐じゃく【連尺／連^▽索】

１ 物を背負うのに用いる道具。肩に当たる部分を麻縄などで幅広く編んだ荷縄や、それを木の枠に取り付けた背負い子など。
２ 1で物を背負って売り歩く商人。また、行商人。
３ 両肩から脇にひもをかけて物を背負う負い方。
「姉を―に負ひ、水子を抱く」〈伎・幼稚子敵討〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

れん‐じゃく【連尺・連索】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
   1. ① 麻縄などで肩にあたる部分を幅広く組んでつくった、物を背負うための綱。また、背負梯子(せおいばしご)など背負縄(しょいなわ)をつけた物を背負うための具。〔文明本節用集（室町中）〕
      1. [初出の実例]「亀井が笈に取かへ、れんじゃくつかんでかたにかけ」(出典：幸若・屋嶋軍（室町末‐近世初）)
   2. ② ①を肩にかけて背負う背負い方。両肩から脇にかけて紐をかけて背負うやり方。
      1. [初出の実例]「姉をれんじゃくに負ひ、水子を抱く」(出典：歌舞伎・幼稚子敵討（1753）二)
   3. ③ 「れんじゃくしょうにん（連尺商人）」の略。
      1. [初出の実例]「負ひ又は荷ひてありく商人を、れんじゃくといひし事見えたり」(出典：随筆・嬉遊笑覧（1830）一一)
2. [ 2 ] ( 連尺 ) 狂言。和泉流。新市の一の棚を占めた者を市司(いちのつかさ)に任ずるという高札を見て、物売りの女と男が先着を争う。目代が来て裁こうとするがらちがあかず、脛押しや相撲をして結局女が勝つ。なお、大蔵流でも、江戸初期の「大蔵虎明本」にこの曲が記載される。

出典　精選版 日本国語大辞典