連続鋳造法(読み)れんぞくちゅうぞうほう(英語表記)continuous casting process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連続鋳造法」の意味・わかりやすい解説

連続鋳造法
れんぞくちゅうぞうほう
continuous casting process

インゴット鋳造を連続的に行う技法考案は古く 1850年頃 H.ベッセマーが出しているが,工業的応用は 1933年 S.ユングハンスの方法以来で,アルミニウム合金銅合金,鋼を代表に,工業的に量産されている金属に広く応用されている。方法の原理は,溶融金属貯留槽 (タンディシュ) 底部ノズルから流出する溶湯を水冷樋 (1次冷却) で凝固殻を形成させ,引続き凝固箱 (2次冷却) に導く。凝固箱には両側にロールと冷却水噴出孔があり,溶湯は凝固しながら成形され,ピンチロールの下で適当な大きさに切断される。ユングハンスの鋼の連続鋳造に対する考案は鋳型を適当な速度で上下させ,凝固を促進するとともに焼付きを防いだ点にある。実地の設計ではピンチロール以下の部分を水平に曲げて操業しやすくする。最初はアルミニウムとその合金に応用され,鋼でも 1960年代に実用に入った。類似の技術に直接圧延法がある。

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世界大百科事典(旧版)内の連続鋳造法の言及

【製鉄・製鋼】より

…このほか中間的なセミキルド鋼があり,一般に厚板や形鋼はこれでつくられる(〈造塊〉の項参照)。
[鋼の連続鋳造法]
 溶鋼を鋳型で凝固させながら連続的に引き抜く鋳造法。水冷鋳型の上方から鋳型内に溶鋼を連続的に注入すると,鋼は鋳型内で凝固し,鋼片は連続的に下方に送られて任意の希望寸法の鋼片に切断され,圧延工程に送られる。…

【鉄鋼業】より

…製鋼・圧延工程の大容量化に伴い高炉規模の巨大化も要請され,日産1万t規模まで可能となるに至った。さらに現代では,分塊工程を省略する連続鋳造法が普及し,また,複合吹錬法(上・底吹転炉)も採用されている。そのほか,設備容量の巨大化を伴わない技術革新も,たとえば原料の事前処理法,重油・酸素などの燃料吹込み,高圧操業などの形で進展している。…

※「連続鋳造法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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