運輸統計(読み)うんゆとうけい

改訂新版 世界大百科事典 「運輸統計」の意味・わかりやすい解説

運輸統計 (うんゆとうけい)

運輸に関する統計旅客または貨物輸送結果を表す輸送統計のほか,施設統計,事故統計などを含む。輸送統計は,輸送機関別に鉄道統計,自動車統計,海運統計,航空統計などに分類されるが,広義には,倉庫,通運,港湾等に関する統計を包含する。輸送統計に用いられる単位としては,輸送量として〈輸送人員〉〈輸送トン数〉のほか,〈輸送人キロ〉〈輸送トンキロ〉がある。〈輸送人員〉は輸送機関を利用した〈延旅客人員〉であり,〈輸送人キロ〉は,旅客1人を1km輸送したとき,これを1人キロと定義した単位である。すなわち,(輸送人キロ)=(輸送人員)×(輸送距離)である。この場合,輸送人キロは個々の輸送についてこの計算を行い,累積したものが統計結果として表示されるため,結果表上においては,一般にこの式は成立しない。輸送トンキロもこれに準ずる。輸送量に準ずる統計単位として〈車両走行キロ〉〈能力人(トン)キロ〉〈座席キロ〉〈通過人員(トン数)〉〈通過車両数〉〈保管量〉〈発着量〉〈取扱量〉等がある。輸送結果を表示する方法として,発着(OD=origin and destination)表の形式をとることがある。これは,表側に発地域,表頭に着地域を記したマトリックスを用い,それぞれの交点にその輸送量を記す方法である。輸送機関別統計は,輸送機関を乗り換えるごとに別の輸送として計上されるため,輸送人員(トン数)が重複計上となる。これに対し,旅客または貨物の真の発着地を調査した統計がある。前者を〈総流動統計〉といい,後者を〈純流動統計〉という。

 日本のおもな運輸統計には次のものがある。〈鉄道統計〉〈民営鉄道輸送統計〉〈自動車輸送統計〉〈内航船舶輸送統計〉〈航空輸送統計〉〈大都市交通センサス〉〈全国幹線貨物純流動調査〉〈港湾調査〉(以上運輸省)。統計資料としては,上記統計別の各報告書のほか,《運輸経済統計要覧》《運輸統計季報》《運輸経済図説》《陸運統計要覧》《貨物地域流動調査》《旅客地域流動調査》《自動車保有車両数》《倉庫統計月報》(以上運輸省)等がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「運輸統計」の意味・わかりやすい解説

運輸統計
うんゆとうけい

交通関係統計

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