睡眠障害の一つ。覚醒(かくせい)を保つべき時と場所で覚醒が維持できない、睡眠期の睡眠状態が過剰に深い、あるいは睡眠状態の持続時間が過度に長いなど、覚醒に比して睡眠の割合が極端に大きい病態である。睡眠過剰症ともよばれる。病因は脳障害や慢性睡眠不足、心因性など多岐にわたる。原疾患には、日中、耐えがたい眠気が持続するナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群のほか、意識障害を伴う周期性傾眠症(反復性過眠症、クライネ‐レビン症候群)、うつ病、筋の不随意運動も伴うミオクローヌス、脚を動かさずにいられないむずむず脚症候群、原因不明の痛みも伴う線維筋痛症などがある。また抗うつ薬などの副作用、薬物使用、アルコールなども原因となる。肥満体型の人も過眠症になりやすい。傾眠状態の持続により注意が散漫し、応答や行動も緩慢となって社会生活上の困難や支障をきたす場合が多く、この点を重視した支援も考慮する必要がある。治療は原疾患の治療が優先されるが、原因が不明である場合は、症状に応じて中枢神経刺激薬や抗うつ薬などの薬物による対症療法が中心となる。
[編集部]
(2016-3-6)
「ナルコレプシー」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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