日本歴史地名大系 「道灌山遺跡」の解説
道灌山遺跡
どうかんやまいせき
道灌山の標高約一六―一七メートルの台地上にある縄文時代から江戸時代にわたる複合遺跡。道灌山遺跡はA地点からF地点を含めた総称で、昭和八年(一九三三)に発掘調査されたのち、同二九年から平成九年(一九九七)まで計六回にわたって発掘された。主体は開成学園敷地のA地点で、弥生時代中期末の宮ノ台式土器を伴う集落跡。炉跡を中央に配した隅丸方形の竪穴住居跡が四軒と、同時期の環濠が南北約一七〇メートル・東西一〇〇メートルほど巡っていた。縄文時代の遺構は前期の黒浜式と諸磯b式土器期のもので、弥生時代の環濠の外側の地点に長径六メートル、短径四・五メートルの不整形の竪穴住居跡二軒と、長軸一・三メートル、短軸約一メートル、深さ一八センチの土壙一基が残る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報