道行き(読み)ミチユキ

デジタル大辞泉 「道行き」の意味・読み・例文・類語

みち‐ゆき【道行き】

道を行くこと。また、旅をすること。
舞楽で、舞人が楽屋を出て舞台上の所定の位置に着くまでの間。また、その間に奏する音楽。みちき。
謡曲で、旅行の経過を内容とする平ノリの謡。ふつう上げ歌の形式をとる。1曲の最初のほうで、ワキの登場に用いることが多い。
文体の一種。ある目的地にいく道中の光景や旅情などを、掛け詞縁語などを用いて述べる韻文体の文章。軍記物語謡曲浄瑠璃などにみられる。道行き文。
浄瑠璃歌舞伎で、主として男女が連れ立って旅行などをする場面。また、その所作。駆け落ちや心中などの場合が多い。
目的または終局に達するまでの事の経過。そこに至るまでの事情。いきさつ。
「不可思議な現象に逢って其現象が学問上から考えて相当の説明がつくと云う―が」〈漱石・趣味の遺伝
もと道中着に使われた、額縁状の小襟のついた襟明きの四角い和服用コート。現在では女物の、あわせの半コート、防水したひとえの長コートが最も一般的。道行きコート。道行きぶり。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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