違目(読み)たがいめ

精選版 日本国語大辞典 「違目」の意味・読み・例文・類語

たがい‐め たがひ‥【違目】

〘名〙
① 意に反すること。不本意な事態。望ましい状態にならないこと。
源氏(1001‐14頃)若紫「その中にたがひめありて、つつしませ給ふべき事なん侍るといふに」
② くいちがうこと。効力差異
東大寺文書‐弘安二年(1279)八月日・沙彌迎蓮〈伴頼広〉重陳状案「被決両方之刻、云訴陳違目、云問答道理、為顕然之間」
③ 正しく見ないこと。よこしまな見方邪見。また、その目つき。
※享和本新撰字鏡(898‐901頃)「低視 邪見 逆見也 太加比目 又不志目」

ちがい‐め ちがひ‥【違目】

〘名〙
① 違ったところ。矛盾している点。食い違い。
※新撰六帖(1244頃)六「かりてほす淀野のまこもあみ糸のちがひめ多きを我心かな〈藤原信実〉」
筋かいに組んだところ。
※栄花(1028‐92頃)玉のうてな「犬防(いぬふせぎ)は皆金の漆のやうに塗りて、ちがひめごとに、螺鈿の花の形を据へて」
③ 契約や規範などに違反すること。また、問題が生ずること。
※斎藤文書‐正慶元年(1332)一二月二五日・おかもとのあこ請文「もしこのちに、ちかいめ候はは、うけ人のさたとして、あたい六十貫文を一はいにてさたしまいらすへく候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android