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遺伝工学 いでんこうがくgenetic engineering

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遺伝工学
いでんこうがく
genetic engineering

人間または他の生物の遺伝機構に手を加えて,本来とは異なる先天的性質または遺伝性を生物に獲得させる技術。 genetic engineeringは,やや限定的には「遺伝子工学」と訳されるが,その内容は,新遺伝子の導入あるいは既存遺伝子の加工,さらに遺伝子の非生物的合成などによる,遺伝形質の支配である。技術として,遺伝子の酵素的切断およびつなぎ換え,ウイルスによる導入,細菌の場合のプラスミドの利用などの手法が開発された。これにより,微生物による有用蛋白質の量産,作物の品種改良,人間の先天性異常の治療など多くの可能性が生れた。 1977年の大腸菌によるホルモンの一種ソマトスタチンの生産,78年のインスリンの生産,79年の人間の成長ホルモンの生産 (いずれもアメリカ) は,その成果の嚆矢である。だがそうした一方で,軍事利用を懸念したり,生命倫理への抵触を危惧したりする声もある。遺伝工学の語義をさらに広くとる場合には,異なる種の細胞間での細胞融合,成体細胞からのクローンづくりなどまで含ませることがある。他方,遺伝子の操作だけに限る場合には,遺伝子操作 gene (genetic) manipulationの語を用いることがある。

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