鄠邑(読み)こゆう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鄠邑」の意味・わかりやすい解説

鄠邑
こゆう / フーイー

中国、陝西(せんせい)省中部にある西安(せいあん)市の市轄区。常住人口55万6377(2010)。渭河(いが)の南岸、秦嶺(しんれい)山脈の北麓にあり、平地では小麦トウモロコシ綿花などが栽培され、背後の山地は林産資源が豊富である。また、化学工業や機械加工、製紙製薬などの工場が立地する。古典にみえる扈(こ)国の地といわれ、漢代に鄠県が置かれ、近代まで続いた。1964年、鄠を発音の等しい戸県に改めたが、2016年区制施行に伴い鄠邑区と改称された。区南の山麓に唐代の玉石製舎利塔をもつ草堂寺がある。

[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android