酒槽(読み)サカブネ

デジタル大辞泉 「酒槽」の意味・読み・例文・類語

さか‐ぶね【酒槽】

酒を蓄えておく大きな木製の器。
もろみを絞るときに使う長方形の木製の容器。もろみの入った多く酒袋を容器に入れ、押しぶたで酒袋を押すと、底に近い側面の穴からは絞られた酒が流出し、袋の中には絞りかすが残る。

しゅ‐そう〔‐サウ〕【酒槽】

酒をしぼる桶。また、しぼった酒を蓄えておく桶。さかぶね。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「酒槽」の意味・読み・例文・類語

さか‐ぶね【酒槽・酒船】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 酒槽 ) ( 「ふね」は液体をたたえておく容器 )
    1. ( 「さかふね」とも ) 酒を入れておく大きな木製の容器。
      1. [初出の実例]「其の佐受岐(さずき)毎に酒船(さかふね)を置きて船毎に其の八塩折(やしほをり)の酒を盛りて」(出典古事記(712)上)
      2. 「八醞(やしぼり)の酒を槽(サカブネ)に湛(たたへ)て」(出典:太平記(14C後)二五)
    2. 酒をしぼるのに用いる長方形の容器。この器に醪(もろみ)の入った多くの酒袋を入れ、押しぶたを押すと、底に近い側面の穴から酒が流出し、袋の中に酒の粕(かす)だけが残る。〔羅葡日辞書(1595)〕
  3. [ 二 ] ( 酒船 ) 酒を積んでいる船。特に、江戸時代、酒樽積廻船(さかだるづみかいせん)をいう。
    1. [初出の実例]「菊やどの家に久しき雁鳴て〈芭蕉〉 酒舟あれば汀浪こす〈春澄〉」(出典:俳諧・江戸十歌仙(1678)八)

しゅ‐そう‥サウ【酒槽】

  1. 〘 名詞 〙 酒をしぼるおけ。さかぶね。〔張籍‐和佐司元郎中秋居詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「酒槽」の読み・字形・画数・意味

【酒槽】しゆそう

酒船。

字通「酒」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android