もろみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「もろみ」の意味・わかりやすい解説

もろみ
もろみ / 醪
諸味

醸造してまだ粕(かす)を漉(こ)していない状態の酒、またはしょうゆ。語義は、「諸実(もろみ)」で汁と粕とが混じったものの意とか、「脆実(もろみ)」でもろく熟れる実の意などという。日本酒の場合は、蒸し米と麹(こうじ)と水を混ぜ、酒母(しゅぼ)(酛(もと))を加えて糖化、発酵を進行させている、どろどろの状態をもろみ(醪)という。焼酎(しょうちゅう)もろみもほぼ同様であるが、原料雑穀いも類なども用いる。ビールでは、麦汁(麦芽温水を加えて糖化し、濾過(ろか)した糖化液)の発酵状態にあるものをいう。日本酒もろみの特色は、糖化と発酵が同時に行われる並行複発酵にあり、これが日本酒を、醸造酒のなかではアルコール含有量の高い酒(18~20%)としている原因といわれる(ワインは12~13%)。ビールは糖化と発酵の工程が分離されており、ビールもろみは単行発酵方式による発酵が進行する。しょうゆ醸造でも、仕込みから熟成して絞るまでの間をもろみ(諸味)とよんでいる。もろみ漬けは、この熟成もろみに野菜などを漬けたものである。

[秋山裕一]

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百科事典マイペディア 「もろみ」の意味・わかりやすい解説

もろみ(醪/諸味)【もろみ】

酒類醤油などの醸造で,種々の原料が混和・発酵してどろどろになった状態のもの。酒の場合は醪,醤油の場合は諸味と書く。濁酒(どぶろく)は醪状態の酒であり,醤油醸造途上の諸味は一種なめみそになる。
→関連項目酒粕(糟)酒税しょうゆ(醤油)清酒どぶろく(濁酒)

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とっさの日本語便利帳 「もろみ」の解説

もろみ

原料と麹、水、酵母を発酵させた、かゆ状の酒のもと。これを袋に入れて搾り、液体の清酒と固形酒粕に分離する。蒸留すれば米焼酎

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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