酸化ルテニウム(読み)サンカルテニウム

化学辞典 第2版 「酸化ルテニウム」の解説

酸化ルテニウム
サンカルテニウム
ruthenium oxide

】酸化ルテニウム(Ⅳ):RuO2(133.07).二酸化ルテニウムともいう.ルテニウムを空気中で加熱すると得られる.黒色粉末あるいは結晶.密度4.67 g cm-3.酸に不溶.高温ではRuと酸素に分解する.水素と加熱すると還元される.融解水酸化カリウムに溶ける.酸化剤を加えたアルカリと反応させるとM2RuO4を生じる.有機物の水素化触媒,燃料電池の電極触媒材料などに用いられる.[CAS 12036-10-1]【】酸化ルテニウム(Ⅷ):RuO4(165.07).四酸化ルテニウムともいう.黄色の結晶.融点25.5 ℃,沸点40 ℃.液体は橙黄色.水,有機溶媒に可溶.強い酸化性をもち,アルコールとは爆発的に反応する.アルカリ溶液によりルテニウム酸イオンRuO42-を生じる.ルテニウムの回収,生体顕微鏡検査の染色,指紋採取,有機物の酸化剤として用いられる.揮発性があり有毒.蒸気は眼や粘膜,呼吸器をおかす.[CAS 20427-56-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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