酸化金(Ⅲ)(読み)サンカキン

化学辞典 第2版 「酸化金(Ⅲ)」の解説

酸化金(Ⅲ)
サンカキン
gold(Ⅲ) oxide

Au2O3(441.93).テトラクロロ金(Ⅲ)酸塩の水溶液に水酸化アルカリを加えるか,炭酸アルカリを加えて加熱するとAu2O3nH2Oのかさばった沈殿を生じる.これを140 ℃ で脱水乾燥すると黒褐色粉末として得られる.160 ℃ で分解がはじまり,1個のOを放出して酸化金(Ⅲ)と金の混合物を生じ,250 ℃ で完全に分解して金と酸素になる.水酸化カリウム水溶液にK[Au(OH)4]・H2Oとなって溶ける.アンモニア水溶液中に保つと組成不明の爆発金(雷金)の粉末が得られる.金ぱく,陶磁器の製造,医療,写真などに用いられる.[CAS 1303-58-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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