野場村(読み)のばむら

日本歴史地名大系 「野場村」の解説

野場村
のばむら

[現在地名]幸田町野場

幡豆はず郡に属し、東は菱池ひしいけ沼で対岸の額田郡鷲田わしだ村・岩堀いわぼり村と境する。西の須美すみ村および下羽角しもはすみ(現西尾市)とは山で、東南は六栗むつぐり村・上六栗かみむつぐり村・桐山きりやま村・須美村と山で接する。北は野崎のざき村および上羽角村(現西尾市)と山で接する。村域の西・南・北は山で、あか川・大迫おおばさま川・すな川などの小河川が菱池沼に流れていた。山間地は干畑で溜池が多い。須美すみ郷の出郷と伝えられ、吉良きら庄野羽村とか、「能波」とも記す。前期古墳とされる丸山まるやま古墳や後期古墳七基が確認されている。

天文一二年(一五四三)松平広忠内藤甚三宛安堵状(朝野旧聞藁)に以前より内藤甚三の本貫であったことを記す。この件は「創業録」では天文一六年とあり、同年には筧重忠に対しての松平広忠感状(武徳編年集成)があり「三州野羽郷を賜る」として給恩一〇〇貫文の地がある。

<資料は省略されています>

当村の古城主として伝える大須賀氏は「寛政重修諸家譜」では「大須賀高常故あつて三河に来り野場に住す」とある。「正専寺要集」は永禄元年(一五五八)松平元康に反逆した野場城主山本勘助の名を伝えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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