金を中心とする佐渡鉱山の遺産群(読み)きんをちゅうしんとするさどこうざんのいさんぐん

世界遺産詳解 の解説

きんをちゅうしんとするさどこうざんのいさんぐん【金を中心とする佐渡鉱山の遺産群】

2010年に日本の世界遺産暫定リストに記載された鉱山遺産。新潟県・佐渡島には、16世紀末から400年間にわたって金と銀を産出し続けた日本最大の金銀山があり、採鉱から精錬にいたる鉱山技術が開発され、それらの富に支えられた文化的伝統が形成された。登録を目指す資産は、相川金銀山、西三川砂金山、鶴子(つるし)銀山、新穂(にいぼ)銀山などで、ここには遺跡・建造物・鉱山都市・集落などが含まれる。特に相川金銀山は、露頭掘り群、宗大夫(そうだゆう)間歩(まぶ)、南沢疎水道、佐渡奉行所跡など多くの国指定史跡を擁する。また、蓮華峰寺弘法堂、小比叡(こびえ)神社本殿・鳥居、妙宣寺五重塔は国の重要文化財に、宿根木(しゅくねぎ)が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。2007年に世界遺産に登録された島根県の「石見(いわみ)銀山遺跡とその文化的景観」と統合した形で登録をめざすとしていた従来の方針を転換し、2010年に単独での登録を目指すことになり、暫定リストへの掲載を決定した。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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