金剤(読み)きんざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金剤」の意味・わかりやすい解説

金剤
きんざい

慢性関節リウマチ気管支喘息 (ぜんそく) の治療薬として使用されている薬物分子構造の一部に金を含んでいる。これまで,注射剤しかなかったことに加え,一定頻度で副作用があったことから,治療の中でも第一選択になる薬物ではなかった。たとえば慢性関節リウマチに対しては,金チオリンゴ酸ナトリウムが使用されているが,(1) 活動性の慢性関節リウマチに限ること,(2) 一定期間の非ステロイド性抗炎症剤の治療が無効な場合に限ること,(3) 副作用として発疹舌炎腎臓の障害などがあり,あらかじめ患者によく説明する必要がある,とされている。最近,経口可能なオーラノフィンという金剤が登場した。金チオリンゴ酸ナトリウムよりも作用はマイルドだが,その分副作用も少なく,比較的早期の慢性関節リウマチから投与可能な薬剤とされ注目されている。また,金チオリンゴ酸ナトリウムは,気管支喘息にも使われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排他的経済水域

略称 EEZ。沿岸国が水産資源や海底鉱物資源などについて排他的管轄権を行使しうる水域。領海を越えてこれに接続する区域で,領海基線から 200カイリの範囲をいう。沿岸国は,水中ならびに海底と地下の天然資...

排他的経済水域の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android