金子吉左衛門(読み)かねこきちざえもん

精選版 日本国語大辞典 「金子吉左衛門」の意味・読み・例文・類語

かねこ‐きちざえもん【金子吉左衛門】

  1. 歌舞伎俳優、作者俳名一高。元祿期(一六八八‐一七〇四上方道外(どうけ)方として活躍。また近松門左衛門合作して、坂田藤十郎の当たり狂言を作った。「耳塵集(にじんしゅう)」の編者。歌舞伎台本の形式を作ったともいう。享保一三年(一七二八)没。

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朝日日本歴史人物事典 「金子吉左衛門」の解説

金子吉左衛門

没年:享保13.9.11(1728.10.13)
生年:生年不詳
江戸前・中期歌舞伎役者,歌舞伎狂言作者。俳名一高。延宝期(1673~81)の立役金子六右衛門の門人で,元禄中ごろから京都で道外形の役者として活躍。阿呆役で好評を博して,元禄期(1688~1704)の代表的な道外形となる。また元禄中ごろから作者として活動していたとされ,「大矢数四十七本」などの合作がある。近松門左衛門の狂言作りに協力していたとされるが,近年発見された吉左衛門の日記(「元禄11年日記」)によれば,坂田藤十郎のための狂言の作製過程にかなり深くかかわっていたものと思われる。著書に,元禄期上方の役者の芸談逸話を集めた『耳塵集』(1727成立)がある。<著作>「元禄11年日記」(鳥越文蔵『歌舞伎の狂言』)

(加藤敦子)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金子吉左衛門」の解説

金子吉左衛門 かねこ-きちざえもん

?-1728 江戸時代前期-中期の歌舞伎役者・作者。
京都で道外方(どうけがた)として知られ,元禄(げんろく)11年(1698)上上吉(じょうじょうきち)にすすむ。のち立役(たちやく)にかわり,座本にもなった。初代坂田藤十郎と一座をなしてからは作者もかねた。近松門左衛門との合作もおおい。享保(きょうほう)13年9月11日死去。俳名は一高。著作に「耳塵(にじん)集」。

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