金毘羅山(読み)こんぴらやま

日本歴史地名大系 「金毘羅山」の解説

金毘羅山
こんぴらやま

大原の西、江文えぶみ神社の背後にそびえ、北の小塩おしお(翠黛山)とともに比叡山と対する。古くは江文山という。標高五七二・八メートル。

記紀神話に登場する天之御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神の造化三神を祀る山と伝える(山城名勝志)。古代祭祀遺跡の磐境いわさかであったと思われ、山そのものが神体と考えられる。江文神社は後世その里社として創建されたものであろう。

平安京が造営され、叡山天台宗が開かれて以後は都の東北の鬼門となり、守護仏である毘沙門天本尊とする江文寺が建立され、また「法華験記」に叡山の僧釈蓮房が「江文の巓に登りて、一夏籠行せり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android