小塩(読み)オシオ

デジタル大辞泉 「小塩」の意味・読み・例文・類語

おしお〔をしほ〕【小塩】

謡曲四番目物金春禅竹こんぱるぜんちく作。下京しもぎょうの男が大原野桜狩りに行くと、在原業平ありわらのなりひらの霊が現れ、舞をまう。

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精選版 日本国語大辞典 「小塩」の意味・読み・例文・類語

おしおをしほ【小塩】

  1. 謡曲。四番目物。各流。金春禅竹作。「伊勢物語」に見える二条の后が大原野に詣でた話を脚色在原業平が昔の姿で花見車で現われ、和歌をよみ、舞を舞う。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小塩」の意味・わかりやすい解説

小塩
おしお

能の曲目。四番目物。五流現行曲。金春禅竹(こんぱるぜんちく)作。小塩山のある洛西(らくせい)の大原野(おおはらの)に桜狩にきた都人(ワキ)の前に、花を肩にした老人(前シテ)が現れ、二条の后(きさき)と在原業平(ありわらのなりひら)の故事を物語る。後段は業平の霊(後シテ)が在りし日の優姿で花見車に乗って登場し、月と花の美しさをたたえ、優雅な舞を舞う。『雲林院(うんりんいん)』と似た主題だが、花にあこがれるはなやかさがこの曲に濃い。女性をシテとする三番目物の幽玄能に準じて扱われる。

増田正造

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