金毘羅往来・瑜伽山参道(読み)こんぴらおうらい・ゆがさんさんどう

日本歴史地名大系 「金毘羅往来・瑜伽山参道」の解説

金毘羅往来・瑜伽山参道
こんぴらおうらい・ゆがさんさんどう

近世中期頃より各地に讃岐金毘羅大権現の分社や遥拝所が造られ、東の「おいせさん」とともに「こんぴらさん」への参詣が盛んとなり、各地に参詣者が通行する金毘羅往来が生れた。これら往来のうちで最も主要な道は、岡山城下さかえ(表町)を起点に妹尾せのお(現岡山市)早島はやしま(現都窪郡早島町)茶屋ちやや町・天城あまき藤戸ふじと串田くしだはやし曾原そばら福江ふくえ稗田ひえだ小川おがわ味野あじの赤崎あかさき吹上ふきあげを経て下津井しもついに至る往来であった。下津井より対岸丸亀まるがめ(現香川県丸亀市)へ五里を渡海して、金毘羅大権現に至った。化政期になると金毘羅大権現と瑜伽大権現の対参りが盛んとなり、田之口たのくち湊と下村しもむら湊が参詣人で賑い始めた。田之口では安藤広重「六十余州名所図絵」(嘉永六年刊)に「備前田ノ口浜偸賀山鳥居」と描かれた大坂鳥居講(大坂華表講中)が寄進した明神鳥居(高さ六・八七メートル)や、藤屋をはじめとする数軒の船宿、小倉帯・真田紐を売る商家をあとに、瑜伽山に登る瑜伽山南参道があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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