金石の交わり(読み)キンセキノマジワリ

デジタル大辞泉 「金石の交わり」の意味・読み・例文・類語

きんせき‐の‐まじわり〔‐まじはり〕【金石の交わり】

《「漢書」韓信伝から》堅く結ばれた交わり。心変わりをしない友情

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精選版 日本国語大辞典 「金石の交わり」の意味・読み・例文・類語

きんせき【金石】 の 交(まじ)わり

(「漢書‐韓信伝」の「自以為与漢王金石交」から出た語) 友情の堅いこと。破れることのない交際。〔文明本節用集(室町中)〕

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故事成語を知る辞典 「金石の交わり」の解説

金石の交わり

破れることのない堅い友情のたとえ。

[使用例] 関ヶ原戦後にまでつづいた豊臣家と上杉家との金石の盟約ちかいは、実に、この時、両者のあいだに結ばれたものだといわれている[吉川英治新書太閤記|1939~45]

[由来] 「漢書かんしん伝」に出て来ることばから。紀元前三世紀の終わり、こうりゅうほうが天下を懸けて争っていたときのこと。韓信という将軍劉邦部下として戦っていましたが、項羽は彼を寝返らせようと、使者を派遣してこう言わせました。「君は、自分では劉邦と『金石の交わり(金属や石のように堅い交友関係)』を結んでいるつもりのようだが、最終的には劉邦に討ち従えられることになるのだぞ」。しかし、韓信は寝返らず、項羽は劉邦に滅ぼされてしまいました。とはいえ、項羽の予言通り、韓信もまた、やがて劉邦に滅ぼされてしまうことになります。

[解説] 韓信の生涯からは、ほかにも「韓信の股くぐり背水の陣敗軍の将は兵を語らず千慮の一失など、多くの故事成語が生まれています。

異形〕金石のちぎり。

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