異形(読み)イギョウ

デジタル大辞泉 「異形」の意味・読み・例文・類語

い‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【異形】

[名・形動]普通とは違う怪しい形・姿をしていること。また、そのさま。「異形の者」
樹木が―な姿を空に現わした」〈梶井・闇の絵巻

い‐けい【異形/異型】

形や型が普通とは変わっているもの。いぎょう。

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精選版 日本国語大辞典 「異形」の意味・読み・例文・類語

い‐ぎょう‥ギャウ【異形】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 普通とは違った形やそのさま。あやしい姿、ようす。また、ばけもの・妖怪の類。いけい。
    1. [初出の実例]「妙見菩薩、変化して異形を示し」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
    2. 「忽ち舳へ異形(イギャウ)ろくろ首の変装人物が現はれ」(出典幇間(1911)〈谷崎潤一郎〉)
    3. [その他の文献]〔晉書‐阮瞻伝〕

異形の語誌

「霊異記」では、挙例のものや「異形を播(ほどこ)す」(下)のように、単に異なる姿形や不思議な現象そのものを意味しているが、平安末期の「今昔物語集」では天人や鬼共を形容する語として用いられて、異様な姿形をした鬼畜のイメージと結びついていくようになったものと推察される。


い‐けい【異形・異型】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. いぎょう(異形)
    1. [初出の実例]「此他尚全地上許多の異形(イケイ)なる者ある可し」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉一)
  3. 通常とは異なった形態形状。あるものの変化したかたち

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普及版 字通 「異形」の読み・字形・画数・意味

【異形】いぎよう(ぎやう)

異様な姿のもの。〔晋書、阮瞻伝〕客~色を作(な)して曰く、~僕は(すなは)ち是れ鬼なりと。是(ここ)に於て變じて異形と爲り、須臾(しゆゆ)にして滅す。瞻、默然として、色大いに惡し。

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