金胴(読み)カナドウ

デジタル大辞泉 「金胴」の意味・読み・例文・類語

かな‐どう【金胴/鉄胴】

よろいの胴の一。鉄板蝶番ちょうつがいで合わせた胴。鉄板の表面布帛ふはくで包んだにしき包みや緞子どんす包みがあり、鎧の下に着用した。

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精選版 日本国語大辞典 「金胴」の意味・読み・例文・類語

かな‐どう【金胴・鉄胴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 武具一種。鉄を打ち延べた、袖も草摺(くさずり)もない胴ばかりのものか。鎧の下に着用した。一説に最上胴丸の類。空胴(からどう)桶側胴(おけがわどう)
    1. [初出の実例]「金筒(カナドウ)の上に、火威(をどし)の冑の敷目に拵へたるを、草摺長に著下して」(出典太平記(14C後)二二)
  3. 独楽(こま)の周囲にはめる金属製の輪。

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世界大百科事典(旧版)内の金胴の言及

【当世具足】より

…草摺(くさずり)は歩行の便から7枚に分けて胴とは別にかけはずし式に作るのを特色とし,〈昔具足〉の域を脱して〈当世具足〉となった。 この種の具足は縦胴の仕立ての相違によって区別されるが,大別して,伊予札などによる縫延胴(ぬいのべどう)と鉄板矧合せ(はぎあわせ)の金胴(かなどう)に二分され,さらに若干これらを折衷した段替胴(だんがえどう)や肩脱胴(かたぬぎどう)がある。金胴は蝶番の位置によって,左脇1ヵ所の二枚胴と左右2ヵ所ずつの五枚胴の別があり,さらに鉄板も縦矧や横矧,または一枚鉄とし,釘着の鋲頭も大きくして座金(ざがね)を入れたり,鋲頭を出さずにからくり留めとしたりして,それぞれ実用を考慮して技巧をこらしている。…

【胴丸】より

…これは衡胴の両脇の4ヵ所に蝶番(ちようつがい)をつけて開閉装置とした様式で,この種の胴丸をひろく具足(ぐそく)ともいった。しかし,射戦に対応して製作された提灯式の畳み甲としての伸縮ある胴丸では鑓や新来の鉄砲に抵抗できないので,衡胴を中心に大型鉄板を矧(は)ぎ合わせ,前後を蝶番留めとした金胴(かなどう)に改造された。やがてこれが当世具足とよばれ,16世紀末には,旧制の胴丸は全く影をひそめるにいたった。…

※「金胴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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