日本歴史地名大系 「金谷原遺跡」の解説
金谷原遺跡
かなやつぱらいせき
最上川の形成した洪積低位段丘の縁辺に立地する後期旧石器時代の遺跡。標高一一七メートル、沖積面との比高三―五メートル。昭和三六年(一九六一)に発掘調査が行われ、二〇センチの表土の下位にある黄褐色細粒砂質壌土層中から石器群が出土した。それぞれ二メートルの距離をおく径四メートルほどの三ヵ所の集中地点が認められ、第一群はナイフ形石器と石刃、第二群は石刃と石刃核、第三群は彫刻刀形石器と石刃・石刃核を主にしている。石器群はナイフ形石器・彫刻刀形石器・掻器・錐・石刃・石核などからなる。主体を占めるナイフ形石器は全体が柳葉形で、杉久保型に似るものの打面が完全に除去されていない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報