鍋島栄子(読み)ナベシマ ナガコ

20世紀日本人名事典 「鍋島栄子」の解説

鍋島 栄子
ナベシマ ナガコ

江戸時代末期〜昭和期の社会事業家 日本赤十字社篤志看護婦人会会長。



生年
安政2年5月18日(1855年)

没年
昭和16(1941)年1月3日

出生地
京都府

旧姓(旧名)
広橋

経歴
権大納言を務めた公卿広橋胤保の5女として生まれる。明治13年イタリア全権公使として赴任する旧佐賀藩主鍋島直大に同行。妻を亡くして一人暮らしであった直大とローマで結婚し、のちに梨本宮守正夫人となる伊都子を産んだ。15年に帰国したのち、政府の欧化政策の一環として鹿鳴館が開かれると、その舞踏練習会幹事長となった夫を助けてダンスの指導に当たった。この時の様子は、フランスの作家ピエール・ロティの小説「江戸の舞踏会」に描かれており、彼女も“アリマセン公爵夫人”として登場する。20年日本赤十字社篤志看護夫人協会会長に就任。以来、日清・日露戦争では率先して傷病兵を看護したほか、各地の病院を慰問し“日本のナイチンゲール”と呼ばれた。その他、東洋婦人会・大日本婦人教育会などの役員も務めた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

関連語 旧姓

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鍋島栄子」の解説

鍋島栄子 なべしま-ながこ

1855-1941 明治-昭和時代前期,鍋島直大(なおひろ)の妻。
安政2年5月18日生まれ。広橋胤保の5女。梨本伊都子の母。明治13年イタリア公使として赴任する直大に同行し,ローマで結婚式をあげる。帰国後,鹿鳴館の夜会活躍。日本赤十字社篤志看護婦人会会長などをつとめた。昭和16年1月3日死去。87歳。京都出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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