夜間に行われる会合,とくに明治以後西洋風の社交を目的として夕食後に開かれた会合をいう。《明治事物起源》によると,1879年にアメリカ大統領グラントが来日したおり,来賓をもてなすために工部大学校で数千人を集めて開かれたのが日本で初めての夜会とされている。その後,条約改正を目的として欧化主義の政策がとられ,83年に竣工した鹿鳴館を中心に内外の社交の場として夜会が頻繁に催された。夜会には音楽会,舞踏会,演劇,仮装,余興などが行われ,参加者は夜会服として男子は燕尾服,女子はイブニングドレスを着用するのが礼儀とされた。これによって上流婦人の洋装化が進み,筒長の手袋や日傘がアクセサリーとして当時流行した。夜会に熱中した上流階級の極端な欧風化は,表面的な西洋の模倣にすぎず,批判を受けることになったが,服装などの風俗に与えた影響は少なくなかった。
→宴会 →社交 →パーティ
執筆者:小熊 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報