鎮西(九州地方)(読み)ちんぜい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎮西(九州地方)」の意味・わかりやすい解説

鎮西(九州地方)
ちんぜい

九州本島のほか壱岐(いき)、対馬(つしま)、五島(ごとう)列島、甑(こしき)島などを含む九州地方別称。743年(天平15)から2年間、九州地方を総督する大宰府(だざいふ)を「鎮西府」と改称したところから、この名でよばれるようになった。鎮西とは、西を鎮(しず)める(平定する)意である。そののちも、鎌倉幕府が九州地方を統治するために鎮西奉行(ぶぎょう)、鎮西談議所鎮西探題などの機関を博多(はかた)に設置し、この呼称が定着していった。

[藁科勝之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例