(読み)サン

デジタル大辞泉 「鑽」の意味・読み・例文・類語

さん【鑽】[漢字項目]

[音]サン(呉)(漢) [訓]きる きり
穴をあける。うがつ。「鑽孔
物事を深く究める。「鑽仰研鑽

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鑽」の読み・字形・画数・意味


27画

[字音] サン
[字訓] ほる・きり・のみ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は贊(賛)(さん)。〔説文〕十四上に「以なり」とあり、錐の類をいう。穴をつことを鑽穴、火をとることを鑽燧(さんすい)、亀卜に鑽を加えてくことを鑽という。髪を切ることを・翦(剪)といい、声義が通ずる。

[訓義]
1. ほる、うがつ、さす、穴をあける。
2. きり、のみ。
3. ほこさき、やじり。
4. 火うち、やく。
5. と通じ、あつめる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕鑽 比々留(ひききる)、宇加豆(うがつ) 〔立〕鑽 キル・トシ・キサス・キリ・トホス・ヒキル・マジフ・ハイラキリ・クギ・アツム・ウガツ〔字鏡集〕鑽 キル・サス・コツク・ヒウチ・ウガツ・トドマル・ヒテリ・タカニ・トシ・トホル・マジフ・クギ・クルシ・アツシ・オホホコ

[語系]
鑽tzuan、翦(剪)tzian、dzuan、tsheanは声近く、きる、きりそろえる意をもつ語。thjyunも転音の関係にあるものと思われる。

[熟語]
鑽営鑽閲・鑽火鑽幹鑽亀鑽窺・鑽仰・鑽具・鑽空・鑽穴・鑽研鑽堅・鑽孔・鑽鑽鑿・鑽山・鑽子・鑽鑽充・鑽心・鑽燧・鑽石・鑽天鑽刀・鑽頭・鑽入・鑽髪鑽訪・鑽木鑽摩・鑽味鑽羅鑽懶・鑽・鑽鑽錬鑽弄
[下接語]
火鑽・窺鑽・研鑽・施鑽・鑽・雕鑽・椎鑽・剖鑽・木鑽

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【卜骨】より

…中国では山東省城子崖(竜山文化)など新石器時代後期に羊,牛,豚かイノシシ,鹿の肩甲骨を占いに用いている。灼く個所をあらかじめ彫りくぼめた〈鑽(さん)〉をもつものもある。河南省安陽の殷墟からは,国事の決定を占うために用いた卜甲(背より腹の甲の方が多い)や,牛か羊の肩甲骨を材料とする鑽のある卜骨が大量に見いだされており,その数は10万を超えるという。…

※「鑽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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