長世保(読み)ながせほ

日本歴史地名大系 「長世保」の解説

長世保
ながせほ

松山まつやま町・鹿島台かしまだい町および遠田とおだ南郷なんごう町に比定される中世の庄園。「吾妻鏡」建久元年(一一九〇)一〇月五日条に載る「陸奥国諸郡郷新地頭等所」宛に出された源頼朝下文に「国司御厩佃事、右、件佃、本自有定置之郡郷、宮城、名取柴田、黒河、志太、遠田、深田、長世、大谷、竹城是也」とあり、宮城から遠田までが郡、深田(谷)から竹城たかきまでが古代の郷とならぶ郷で、保を郷と書きかえている。同書文治五年(一一八九)八月八日条によれば、奥州合戦に際し、常陸入道念西の子息たちは伊達だて(現福島県伊達郡)での戦いで軍功をあげ、念西は源頼朝の信頼を得ている。念西は伊達朝宗のことで、朝宗は近世の仙台藩主伊達氏の祖とされる。「寛政重修諸家譜」の実宗の条に「常陸国真壁郡伊佐庄中村に住す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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