伊佐(読み)イサ

デジタル大辞泉 「伊佐」の意味・読み・例文・類語

いさ【伊佐】

鹿児島県北部にある市。米作、伝統産業の焼酎醸造が盛ん。金・銀を産出する鉱山があった。平成20年(2008)大口市菱刈町が合併して成立。人口2.9万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「伊佐」の意味・わかりやすい解説

伊佐[市] (いさ)

鹿児島県北部にあり,熊本・宮崎両県に接する市。2008年11月大口(おおくち)市と菱刈(ひしかり)町が合併して成立した。人口2万9304(2010)。

伊佐市の中北部を占める旧市。1954年大口町と山野町,羽月村,西太良村が合体,市制。人口2万2119(2005)。大口盆地北西1/3を占め,近世には島津氏の直轄地で,かつて郡役所が置かれたこともあり北薩の中心都市である。第1次産業人口が5割に近く,人口減少も著しいが,盆地は伊佐米で知られる県下有数の米産地である。畜産ではブロイラーや養豚が盛ん。また市域の68%が森林で,伊佐ヒノキで有名な林業も重要である。鉱業ではかつて北部の牛尾にあった大口鉱山で金が採掘されていたが1977年閉山した。ハムや電子部品などの新しい工場ができて将来が期待される。市南西部を川内せんだい)川が流れ,盆地からの出口にある曾木ノ滝付近は県立自然公園に指定されている。北部の郡山八幡本殿は重要文化財。
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伊佐市南東部の旧町。旧伊佐郡所属。人口9380(2005)。周囲を九州山地に囲まれ,中央に開ける大口盆地を川内(せんだい)川が蛇行して北西に流れる。川沿いに国道268号線が通じる。ヒシが自生する湿地が多く,古代以来川内川の洪水に悩まされた地域であったが,薩摩藩時代に157年を費やして行われた湯之元堰工事によって排水が進み,3000haの水田が開かれた。良質の〈伊佐米〉,深ネギを産するほか,肉牛の飼育も盛んである。東部に湯之尾温泉(含重曹食塩泉,73℃)や住友金属鉱山菱刈鉱山(全国産金の90%を産す)がある。川北チスジノリの発生地(天)。
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世界大百科事典(旧版)内の伊佐の言及

【美祢[市]】より

…古代末期から中世には,石清水(いわしみず)八幡宮領大峯(大美祢)荘などがあった。近世,伊佐は市場町として栄え,諸物資の集散地となり,徳定(とくじよう)を中心とする伊佐売薬の町としても知られた。明治中期以降,軍艦用燃料として利用された大嶺無煙炭は,一時期は全国生産の6割を占めた。…

※「伊佐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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