長台関戦国墓(読み)ちょうだいかんせんごくぼ(英語表記)Cháng tái guān zhàn guó mù

改訂新版 世界大百科事典 「長台関戦国墓」の意味・わかりやすい解説

長台関戦国墓 (ちょうだいかんせんごくぼ)
Cháng tái guān zhàn guó mù

中国,河南省信陽県長台関鎮で発掘調査された2基の戦国時代の楚墓。1号墓の墓坑は長方形竪穴で,墓口の大きさは長さ14.5m,幅12.3m,深さ10.1mであった。墓坑の側壁には4段の階段が設けられ,東に傾斜墓道が存在する。墓坑の底には腰坑が掘られ,小鹿が納められていた。木槨は青灰色粘土で覆われ,東西長8.44m,南北幅7.58m,高さ2.5mの大きさで,槨内は7室に区分されていた。主室はひどい盗掘を受けていたが,二重の木棺が発見されている。主室と前室以外の各室には多くの副葬品が残っていた。副葬品には,鎮墓獣(ちんぼじゆう),木獣,木俑,耳杯,豆などの漆・木器,方鼎,壺,勺などの陶器,鼎,壺,鐘などの青銅器,玉器,絹織物竹簡が存在した。2号墓の構造は1号墓に類似し,木槨内に7室が存在する。主室内には漆を塗った二重の木棺が置かれ,すべての室から副葬品が出土している。副葬品も1号墓に類似し,木彫類,漆器,陶器類など約280点の遺物が発見されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長台関戦国墓」の意味・わかりやすい解説

長台関戦国墓
ちょうだいかんせんごくぼ
Changtai-guan Zhan-guo-mu

中国河南省信陽県長台関付近にある楚の墓。 1956年に河南省文化局によって2基の墓が発掘され,1号墓は長さ 15m,幅 12m,深さ約 10mの竪穴墓であった。槨室は角材を組んで造られ,前室,主室,後室など7個の小室に分けられ,主室内には2重の内槨と,さらに朱塗りの外棺,内棺が存在した。槨室からは編鐘車馬具,青銅利器,瑟,鼓,漆器,鎮墓獣,木俑などの副葬品が出土した。 (→信陽遺跡 )

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