日本歴史地名大系 「長屋郷」の解説 長屋郷ながやごう 奈良県:大和国山辺郡長屋郷「和名抄」高山寺本に「奈賀夜」、刊本に「奈加也」と訓ずる。「続日本後紀」承和一三年(八四六)三月一九日条に「山辺郡長屋郷」がみえる。「大和志」は「已廃長原村存」として現天理市永原(ながはら)町に比定するが、永原町は嘉保二年(一〇九五)の弓削七子田畠処分状(股野文書)に「山辺郡永原郷十二条六里七坪」とある永原郷に該当。延久二年(一〇七〇)の興福寺雑役免帳にみえる長屋中庄・長屋西庄・長屋東庄の所在が永原町西方の現天理市東井戸堂(ひがしいどどう)町・西井戸堂町・合場(あいば)町と考えられる(天理市の→長屋庄)ので、長屋郷は東井戸堂町付近に比定される。 長屋郷ながやごう 三重県:伊勢国安濃郡長屋郷「和名抄」東急本は「奈加也」の訓を付し、高山寺本は「長生」と書き「奈賀夜」の訓を付す。平城宮出土木簡に「伊勢国安濃郡長屋郷甲可石前調銭壱貫」「神亀四年十月」とある。「外宮神領目録」には「長屋御園一斗五升 十二月進之」、「神鳳鈔」安西(あんさい)郡条には「長屋御園三段」がみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報