長府藩毛利氏館跡(読み)ちようふはんもうりしやかたあと

日本歴史地名大系 「長府藩毛利氏館跡」の解説

長府藩毛利氏館跡
ちようふはんもうりしやかたあと

[現在地名]下関市大字豊浦村 宮崎

長府の南部、海岸近くの串崎くしざきにあった長府毛利氏の館。

天正一二年(一五八四)に毛利輝元の養子となった秀元は、輝元の子秀就の出生によって分家、豊浦郡の大部分を藩領として一家をなした。居城としてかつて大内家の臣内藤隆春がいたという櫛崎くしざき城を定めたが、元和元年(一六一五)の一国一城令によって解体、その跡地に館を建てた。

江戸時代初期の様子を伝える毛利家所蔵の長府古図によれば、街の南端に「御屋職」とみえ、四棟の建物が描かれ、北西の湾になった所に二ヵ所の御舟入、御舟道具御倉がみえる。また江戸時代中期の様子を伝える乃木家所蔵の長府古図によれば、惣門・裏門・本館をはじめ長屋・腰掛・馬場・的場・御船入などがあり、また「ヤゲンボリ」という堀も造られ、館の規模が大きくなっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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