長柄の橋(読み)ナガラノハシ

デジタル大辞泉 「長柄の橋」の意味・読み・例文・類語

ながら‐の‐はし【長柄の橋】

長柄あたりにあった橋。現在の長柄橋付近にあったといわれる。[歌枕
「難波なる―もつくるなり今は我が身を何にたとへむ」〈古今雑体

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精選版 日本国語大辞典 「長柄の橋」の意味・読み・例文・類語

ながら【長柄】 の 橋(はし)

  1. 大阪市北区を流れていた長柄川に架けられていた橋。弘仁三年(八一二)現在の長柄橋付近に架橋されたといわれる。
    1. [初出の実例]「あふ事をながらの橋のながらへて恋渡るまに年ぞ経にける〈坂上是則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・八二六)

長柄の橋の語誌

( 1 )「難波なるながらのはしもつくる也今は我身を何にたとへん〈伊勢〉」〔古今‐雑〕のように古くなっていくものへの感慨を詠んだり、「芦間より見ゆるながらの橋柱昔の跡のしるべなりけり〈藤原清正〉」〔拾遺‐雑上〕のように朽ち残った橋柱によって往時を偲んだりする歌も詠まれた。
( 2 )この橋は淀川河口近くのため洪水による損壊も多く、そのため、人を生きながら柱に入れ、その霊によって柱を強化しようとする「人柱伝説」でも有名。謡曲「長柄」はこの人柱伝説を素材としたもの。

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