朝日日本歴史人物事典 「長沢道寿」の解説
長沢道寿
生年:生年不詳
江戸前期の医者。号は柳庵,丹陽坊,売薬山人。父の理慶も医者で山内一豊に仕えた。曲直瀬玄朔と吉田宗恂 に医を学び,のち一豊に従って父と共に土佐に移り,父の没後(1611)家督を継いだが,間もなくこれを辞して上京。織田信雄に仕え,これも辞して以後は市井の医として活躍,「土佐の道寿」と医名を博した。古林見宜とは曲直瀬の同門。弟子に中山三柳 がいる。著書のうち『医方口訣集(愚按口訳集)』は臨床的価値が高く,現在もなお漢方界で用いられている。
(小曾戸洋)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報