長部城跡(読み)おさべじようあと

日本歴史地名大系 「長部城跡」の解説

長部城跡
おさべじようあと

[現在地名]平泉町長島 滝ノ沢

北上川東岸の丘陵上に位置する。中世の葛西氏家臣長部氏の居城。中館ともいう。西方の北上川には葛西氏の船止(河港)があり、その警備の役割を果したと考えられる。貞和四年(一三四八)正法しようぼう(現水沢市)開創にあたって長部の館主長部近江守清長が寺地を寄進したと伝え、「正法年譜住山記」には文和元年(一三五二)長部殿が五千刈を寄進したとある。天正九年(一五八一)七月、葛西氏家臣同士の長部孫八郎忠俊と上黒沢かみくろさわ(現一関市)城主黒沢豊前守信道が磐井郡狐禅寺こぜんじ(現同上)において合戦、忠俊は討死したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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