開拓使札幌本庁本庁舎跡および旧北海道庁本庁舎(読み)かいたくしさっぽろほんちょうほんちょうしゃあとおよびきゅうほっかいどうちょうほんちょうしゃ

国指定史跡ガイド の解説

かいたくしさっぽろほんちょうほんちょうしゃあとおよびきゅうほっかいどうちょうほんちょうしゃ【開拓使札幌本庁本庁舎跡および旧北海道庁本庁舎】


北海道札幌市中央区にある旧官庁跡。旧北海道本庁舎のほうは修復・復原され、現在も姿を残している。開拓使とは、1869年(明治2)に明治政府の民部省内に置かれた政府機関の一つであり、いわゆる「蝦夷地(えぞち)」の開拓を担当した。同年、蝦夷地は北海道と名を改め、1872年(明治5)、開拓使庁は北海道全体を治める開拓使札幌本庁となった。本庁舎は、現在の北海道庁構内を含む西4丁目から西8丁目までと、北一条から北六条までを敷地として新たに建築され、1873年(明治6)10月、本庁舎と付属建物が完成した。本庁舎は、木造2階建て、1階平面約550m2の建物だった。屋上には八角形の展望層があり、その上に北辰旗を立てた。その後、1879年(明治12)1月に火災にあって焼失した。一方、1882年(明治15)には開拓使が廃止され、3県1局時代を経て、1886年(明治19)、新たに北海道庁が設置された。本庁舎の敷地は開拓使札幌本庁跡を縮小継承して、1888年(明治21)に完成した。れんが造り半地下1階、地上2階建て、屋上に直径7.27mの八角塔が備えられ、1階平面約1053m2、延べ床面積約4892m2の大きさだったが、1909年(明治42)の火災で内部屋根が焼失した。そのまま残った外壁は、1911年(明治44)の修復工事を経て、「赤れんが」の名で親しまれてきた。1967年(昭和42)、北海道庁本庁舎新築工事中に開拓使札幌本庁本庁舎の基礎杭跡と捨土台(すてどだい)の一部が発見され、その跡地と開拓使札幌本庁舎を実質的に継承した旧北海道庁の本庁舎を保存し、国指定史跡として、明治年間の北海道開拓意義後世に伝えることとなった。1968年(昭和43)には、旧北海道庁本庁舎は、北海道100年を記念して以前の姿に復元された。JR函館本線札幌駅から徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android