間欠河流(読み)かんけつかりゅう(その他表記)intermittent stream

改訂新版 世界大百科事典 「間欠河流」の意味・わかりやすい解説

間欠河流 (かんけつかりゅう)
intermittent stream

湿潤地帯の河川のように恒常的に流水がみられず,降雨時や雨期にのみ流水がみられる河川。間欠河川ともいう。乾燥地域や半乾燥地域に多くみられ,アラビアやアフリカ北部ではワジと呼ばれる。降雨時の非常に短い間だけ流水がみられる場合と,雨季には恒常的に流水があるが,乾季に流水がみられなくなる場合とで,区別することもある。一般に間欠河流という場合には,後者を指すことが多い。降雨時には,新たな雨裂を多数発生させながら急激に出水し,こう配の緩い斜面では幅広く網状流をなしてはんらんし,降雨のない時や乾季には,雨裂や網状流の跡が残される。乾燥地域では,外来河川が水源地域の降水が少ない時期に消滅することがあるが,これも間欠河流の一例である。日本は湿潤地域なので間欠河流はないが,砂礫質の扇状地にみられる水無川は,洪水時にのみ流水がみられる一種の間欠河流である。しかし,下流側には恒常流がみられるので,間断河川interrupted streamともいう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android