阿波国淡路国海陸道度帳(読み)あわのくにあわじのくにかいりくみちのりちよう

日本歴史地名大系 「阿波国淡路国海陸道度帳」の解説

阿波国淡路国海陸道度帳(海陸道度帳)
あわのくにあわじのくにかいりくみちのりちよう

一冊

成立 正保四年

原本 国立国文学研究資料館史料館所蔵蜂須賀家文書

解説 阿波国と淡路国の街道を書上げた帳簿で、江戸前期の交通を知るうえで貴重な史料。阿波国は川北本道(撫養街道)や淡路街道・讃岐街道伊予街道・土佐街道といった主要街道のほか、各街道から分岐する峠道も記され、とくに撫養街道は阿讃峠道が一三本記録されている。内容は街道の里程や山川のほか、国境を越えて道がどこへ通じるか、牛馬は通行可能かどうか、河川については架橋船渡、歩渡の区別を記す。帳末には七ヵ所の祖谷葛橋と鳴門等の川口の詳細な記述もみられる。また淡路国は東浦本道・西浦道のほか、郡家浦から福良浦へ通じる街道、洲本から岩屋への街道、同じく福良浦へ通じる街道などを記しており、体裁は阿波国と同じである。なお当帳原本は正保四年に幕府に提出されたが、明暦三年の江戸大火により焼失したため、同年幕府大目付井上筑後守政重の命により改めて写を提出した。当帳はその写本である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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