出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…(1)独立支出は所得水準の大きさやその変化に依存しない支出であるが(その代表的なものとして公共投資のための支出などがあげられる),その水準の増加はなされた独立支出と同額ではなく,その〈数倍〉の所得の増加をもたらすということ。そして(2)国民経済における限界消費性向が高ければ高いほど,その〈数倍〉分は大きくなるということ,の2点に要約できる。この〈数倍〉が乗数multiplierと呼ばれる数で,消費と所得との関係によって規定されるものである。…
…所得のうちどれだけを消費にふりむけるかは,個々人,もしくは個々の家計の嗜好条件や心理的条件などが影響して決まるはずである。消費性向では,通常所得と消費の平均的比率(=消費/所得)で定義する平均消費性向と,所得・消費のある期間内の増分の比率(=消費の増分/所得の増分)で定義する限界消費性向とは必ずしも等しくならず,それを区別して用いる場合が多い。 ケインズは,国民所得水準の決定を論ずるに際して,一国のマクロ・レベルの消費(実質)が,所得(実質)の線形関数で近似的に表現できるとした。…
※「限界消費性向」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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