陰符(読み)いんぷ

精選版 日本国語大辞典 「陰符」の意味・読み・例文・類語

いん‐ぷ【陰符】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国古代の兵法書。陰符経
    1. [初出の実例]「陰符 インフ 六韜」(出典:塵芥(1510‐50頃))
    2. [その他の文献]〔戦国策‐秦策〕
  3. ( の意から転じて ) まじないの御札。魔よけ守札
  4. 人に知らさない書きもの。秘密書類。
    1. [初出の実例]「籾井日記云 四国備前忍者帰国条 別所殿へも参りて近くよばれ、密々に存分を申上て候へば、別所殿も歯噛して興をさまされて候。爰に陰符の候と出し申候」(出典:武家名目抄(19C中か)旗幟部付録)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の陰符の言及

【陰符経】より

…その源流は,戦国末,あるいは北魏の寇謙之にさかのぼるかと言われるが,現存のテキストは,唐の玄宗時代の道士,李筌の手を経るとされる。李筌によれば,陰符とは闇合の意で,造化の機密が人事の機密と暗合していると説くのがこの書の主旨と言う。唐・宋以後,その簡潔さもあって広く行われ,朱熹(しゆき)(朱子)も《陰符経考異》を著し,道を深く理解した人でなければ作れぬ書としている。…

※「陰符」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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