存分(読み)ぞんぶん

精選版 日本国語大辞典 「存分」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐ぶん【存分】

〘名〙
① 思い。考え。意見
※応永本論語抄(1420)雍也第六「此理あるを仲弓不悟して、我存分を云」
意趣。うらみ。遺恨
※虎明本狂言・因幡堂(室町末‐近世初)「あれへまいつて、身共がぞんぶんを申さう」
③ (形動) 思うままに行なうこと。思い通りにすること。じゅうぶんなさま。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Zonbunni(ゾンブンニ)、または、ママニ イタス」
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「此子を存分(ゾンブン)になさるるか」
※明日への楽園(1969)〈丸山健二〉一「見るべき光景全部見て存分に楽しんだのだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「存分」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐ぶん【存分】

[名・形動]物事を思いどおりにすること。満足のゆくまですること。また、そのさま。「存分に楽しむ」「存分活躍を期待する」「思う存分歌う」
[名]
考え。思い。
「我々が―には、命を限りにいざやただ、近衛殿へ参りつつ」〈仮・恨の介・下〉
恨み。意趣。
「此の―を申さずには置くまい」〈虎寛狂・縄綯
[類語]十分思うさま良くみっちりみっしりとく万万ばんばん十二分フル自由自在随意任意ランダム無作為恣意不羈ふき勝手気まま心任せわがまま好き自分勝手手前勝手身勝手得手勝手好き勝手気随気任せほしいまま奔放自由自在縦横縦横無尽意のまま思いのまま思い通りフリーフリーダムリバティー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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