存分(読み)ゾンブン

デジタル大辞泉 「存分」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐ぶん【存分】

[名・形動]物事を思いどおりにすること。満足のゆくまですること。また、そのさま。「存分に楽しむ」「存分活躍を期待する」「思う存分歌う」
[名]
考え。思い。
「我々が―には、命を限りにいざやただ、近衛殿へ参りつつ」〈仮・恨の介・下〉
恨み。意趣
「此の―を申さずには置くまい」〈虎寛狂・縄綯
[類語]十分思うさま良くみっちりみっしりとく万万ばんばん十二分フル自由自在随意任意ランダム無作為恣意不羈ふき勝手気まま心任せわがまま好き自分勝手手前勝手身勝手得手勝手好き勝手気随気任せほしいまま奔放自由自在縦横縦横無尽意のまま思いのまま思い通りフリーフリーダムリバティー求めて奮って積極的自発的能動的意識的主体的意図的意欲的精力的自主的活動的好んで進取前向きわざわざわざと強いてたってことさら乗り気進んで我勝ち我先我も我も喜んで喜ぶしゃかりきしゃにむにどしどしアクティブアグレッシブポジティブ自ら手ずから直直じきじき直接直接的じか身を以てダイレクト故意作為作為的未必の故意あえてえいやっと我劣らじとわざとらしいむに止まれぬ及ばずながら献身的強気強引押して努めて曲げて断固断然思い切ってるか反るか思う存分力一杯精一杯率先果敢惜しみない意気込む本腰本腰を入れる入れ込むひたむき

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精選版 日本国語大辞典 「存分」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐ぶん【存分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 思い。考え。意見
    1. [初出の実例]「此理あるを仲弓不悟して、我存分を云」(出典:応永本論語抄(1420)雍也第六)
  3. 意趣。うらみ。遺恨
    1. [初出の実例]「あれへまいつて、身共がぞんぶんを申さう」(出典:虎明本狂言・因幡堂(室町末‐近世初))
  4. ( 形動 ) 思うままに行なうこと。思い通りにすること。じゅうぶんなさま。
    1. [初出の実例]「Zonbunni(ゾンブンニ)、または、ママニ イタス」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
    2. 「此子を存分(ゾンブン)になさるるか」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三)
    3. 「見るべき光景は全部見て存分に楽しんだのだ」(出典:明日への楽園(1969)〈丸山健二〉一)

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